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どんでん返しが続けて二度

 文藝春秋社が、1991年にアンケートによって集計した「ミステリー・サスペンス洋画ベスト150」によると、そのベスト10は①「第三の男」②「恐怖の報酬」③「太陽がいっぱい」④「裏窓」⑤死刑台のエレベーター⑥「サイコ」⑦「情婦」⑧十二人の怒れる男⑨鳥⑩悪魔のような女で、勿論、全て観ています。

  ともかく、この10本、日本公開はみんな1950年~1960年の映画ばかりで、いかにこの頃は凄い作品ばかりだったかと驚いてしまいます。アンケートの結果はこの順位になっていますが、5本だけ私の好みに並び変えると①「情婦」②「裏窓」③「第三の男」④サイコ⑤「太陽がいっぱい」。

 私が1位に選んだ「情婦」、邦題はこんな名前になっていますがこれは輸入会社の明らかなミスでしょう。原題はアガサ・クリスティの「検察側の証人」で、ラスト10分間にどんでん返しが続けて2回もあるサスペンス映画の大傑作です。この映画こそ、もしストーリーを知ったら観る価値が無くなってしまうと断言出来ます。

  未見の方に、どうしてもこの映画をGWに観て頂きたくて、ブログをアップしたくなったのです。監督は数々の名作を撮っているビリー・ワイルダー。弁護士役の名優チャールズ・ロートンが実にいいのです。サスペンス好きはこの映画観ずしてサスペンスを語るなかれです。では、平均点8.45点の「映画大辞典」のコメントは絶対に映画を観てからお読みになって下さい。

放射性炭素年代測定法の事

 生物がかって生きていた時代を想定するのに、科学者が使う方法に「放射性炭素年代測定法」があります。生物の化石を分析して、その中に含まれている「炭素14」の割合を測定すると、その生物が生きていた年代が正確に解るのです。ともかく、地上の生物はどれも炭素を基本として作られています。

  通常の炭素原子は「炭素12」で陽子6個と中性子6個で出来ています。しかし、時に地球の大気圏に入ってきた宇宙線が窒素原子に当たって、窒素を放射性を持った特殊な炭素に変えてしまうことがあり、この炭素を「炭素14」といい、普通の炭素より中性子の数が2個多いのです。

  この「炭素14」は次第に崩壊して5730年経つと半数が窒素に戻り、このことを「炭素14は半減期が5730年である」と言います。そして、植物や動物が死ぬと、組織内の「炭素14」の含有量が減りはじめ、組織はもう炭素を取り込まないので補充されません。

 一方、同じ組織に含まれる「炭素12」の量は変化しないので、死んだ生物の年代を特特定するには、「炭素12」に対する「炭素14」の割合を、生きている同種の生物に含まれる「炭素14」の割合と比較すればいい理屈です。改めて、人間の頭のよさに感心するばかりです。

「古事記」と「日本書記」

 日本には最古の歴史書として「古事記」と「日本書紀」があります。《「古事記」99の謎》(彩図社)によると、まず、「日本書紀」は「古事記」と同様に681年に天武天皇の命により編纂がはじまり、720年に舎人(とねり)親王によって元正天皇に献上された歴史書です。全30巻からなり、漢文を用いて記録されています。

  そして、「古事記」が天皇の統治以前を主にまとめたものだとすれば、「日本書記」は天皇の世を記録したものと言っていいでしょう。文体も異なり、「古事記」は漢文を用いつつも漢字の音訓を使い分け物語性を重視した表記がなされ、「日本書紀」は整然とした漢文で、神話以外は淡々と記されています。

  ところで、「古事記」は奈良時代初頭、時の天武天皇は、天皇家の歴史が正しく伝えられていないことを悩み、このままでは国家の存亡にかかわることを嘆いていたのです。そこで、昔から伝わる歴史書の誤りを改め、正確な天皇家の歴史を後世に伝えるべく、「古事記」の作成を命じたのです。

  ところが、作業は難航し、天武天皇はその完成をみないまま生涯を終え、「古事記」の編纂は中断されます。しかし、711年、元明天皇の時代に作業が再開されて、1年後の712年に完成しました。さて、その全3巻の「古事記」、まだ「かな」のない時代なので漢文の序文です。では、これが「古事記」現代語訳の全文です。

新年度は会議が多い役職者

 現役時代、経理部長で役員という立場にあった関係で、沢山の会議に出席しています。今日の日曜日、朝日新聞朝刊に「カイシャの会議」というタイトルの記事があり、そこに《新年度、人事異動や新しいプロジェクトなどに伴い、様々な会議に出席する機会も多いことでしょう。…》という言葉を添えて会議について書いてます。

  会議と言っても色々な性質があり、まず、よく定期的に行われるのは、会社の幾つかのセクションがそれに関わってない人達に活動状況を報告する会議があります。つまり情報交換と言ってもいいかも知れません。これは、決められた発表時間さえ主席者全員が守れば定刻に終わります。

 問題は意思決定が色々ある案件を抱え、幹部が集まって議論する会議です。これは会議をコントロールする司会者によって、時間をいっぱい掛けて論じても結論が出ないまま終わる可能性があるのです。新聞に《より根本的に重要なのは、「これまでの意思決定のあり方を変える」という視点を持つこと》と書いてあります。

  そして、製造業の20代の男性の意見が新聞にあり《会議の目的、決めるべき内容と脱線した話の修正、決まったことを誰がいつまでにどうやるかを決めるように心掛けている。うまくいくと今まで1時間程度掛かっていた会議が15分ほどで終わるが、しゃべりたがりの役職者がいると中々うまく進まない》と。最後にこのサイトをお読みに鳴って下さい。何だか現役時代がとても懐かしいです。

 

村上春樹氏の小説の映画化

 私が丸谷才一さんのエッセイの虜になってるのと同じ位、村上春樹さんのエッセイも雑文も、書いたものはみんな好きです。村上春樹さんが文章を書き、安西水丸さんが挿絵を描いている古い随筆集「村上朝日堂」にペラペラ眼を通していたら、ふと「大森一樹について」というタイトルの一文が眼に飛び込みました。

  そこで、出だしを読んでみると《大森一樹くんは兵庫県芦屋市立精道中学校の僕の三年後輩であり、僕が書いた「風の歌を聴け」という小説が映画化された際の監督である。……》とあるのにびっくり。村上さんのデビュー小説「風の歌を聴け」が映画化されているのは、当然、知ってます。そして、監督は大森一樹。

  その監督の大森一樹氏が村上春樹さんの卒業した中学の三年後輩であるのは少しも知りませんでした。それに、小説は読んでも映画の方は観てないことに気がつき、映画「風の歌を聴け」が「映画大辞典」でどんな点数が付いていて、どんなキャストか調べてみたくなり、直ぐに見てみたのです。

  すると、どうやら主人公の俳優は小林薫、「四本指の女」に扮してるのが真行寺君枝。そして、10人のコメントがあり、点数は平均6.6点で中に10点を付けてる人がいるので、コメントを見てみたら《すごく好きなんですよ、この映画。多感な大学時代に観てしまったばかりにハマってしまって……》。果たしてTSUTAYAにDVDが置いてあるのでしょうか。

世界に幾つもある「考える人」

 オーギュスト・ロダンの彫刻「考える人」は世界で最も知られた芸術作品の一つで、考えにふける人の象徴になっています。ネットのウィキペディアによると、ロダンは装飾美術博物館の門を、ダンテの「神曲」に着想を得て制作し、それを「地獄の門」と名づけ、この「考える人」はその門の頂上に置く一部分です。

 ところで、ロダンが作った「考える人」のオリジナル作品は割合小さなものですが、その後、大きなものが鋳造され、全世界に21体あって、そのうち日本は「国立西洋美術館」「ブリヂストン美術館」「京都国立博物館」「静岡県立美術館」の4体。では、ロダンの「考える人」が21体もある理由の説明です。

 彫刻が絵画ともっとも違うポイントは、「原型」を複製することが出来るのです。例えば、ピカソの代表作である「アビニヨンの娘たち」はニューヨーク近代美術館に所蔵されていますが、当然ここでしか見られません。しかし、彫刻に関しては絵画とは異なるのです。

 ロダンの「考える人」は日本で知らない人はいない作品ですが、この作品は日本に前述の4体所蔵されている他に、パリの「ロダン美術館」は勿論のこと、アメリカやイタリア等にも幾つも存在します。当然、著作権の問題があるはずですが、それについてはどこにも書いてないので不明です。

世界遺産が八時間も炎上

 パリにある世界遺産「ノートルダム大聖堂」で4月15日午後7時(日本時間16日午前2時)頃火災が発生し、8時間も炎上しました。朝日新聞4月17日の朝刊によると、大半の屋根が焼失し、円天井の一部が崩落、高さ96メートルの尖塔が焼け落ち、パリの象徴の大聖堂は大打撃を受けたのです。

  高さ約70メートルの正面の塔は崩落を免れ、骨格そのものは、多くが維持されたようでよかったです。出火元とみられる尖塔付近は、改修工事のために足場が組まれていて、パリ検察は16日、「ここが失火の可能性が高い」と明らかにしたようです。出火当日は、15人ほどが現場で作業していて、この人達から話を訊く方針。

 それにしても、400人の消防士が消火に当たったのに、中々火を消せなかった理由の一つに1300本の木材が骨組みや屋根部分に使われていたためで、火災の専門家は「巨大なマッチ箱のようなものだ」と言ってるそうです。ともかく、悪いけれど大切な世界遺産に対する防備があまりにもお粗末だったという印象です。

 ところで、ネットに《ノートルダムの「風見鶏」、無事で「奇蹟だ」》という記事があり、この火災で焼け落ちた尖塔の先端に取りつけてあった銅製の「風見鶏」の像が焼け跡から見つかったようで、この銅像を持つ男性の写真が載ってました。ともかく、パリの人々を見守る「お守り」と位置づけされているだけに市民は欣喜雀躍です。

ゴッホが描いた暗い「星月夜」

 ゴッホがフランスの精神科病院に入院中に描いた「星月夜」といういささか暗い雰囲気の絵をご存知でしょう。まず、この絵を丹念にご覧になって下さい。ネットに《ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの「星月夜」をより深く鑑賞するために知っておきたい9つのこと》というサイトがあります。

  その9つのエピソードをあげる前に、もしかしたらこの絵はゴッホの人生を象徴する作品かも知れません。とあります。①まず最初に、現在、この作品がある場所は「ニューヨーク近代美術館」。②描かれた場所と時はフランスの精神病院「聖ポール療養院」に入院中の1889年6月。        

 そして、③この病院があったサン・レミ・ド・プロヴァンスは予言者として有名な、ノストラダムスの生家があった街です。④ところで、この絵は人物か登場しない暗い絵です。この絵を描いた半年くらい前に、ゴッホが、自身の耳を切り落とすという大事件が起きていますから、混乱した精神状態にあったはずです。

  また、⑤この作品は写実的ではなくて幻想的です。⑥ゴッホは金星と月を描きたかったようで月が三日月なのはゴッホの願望のようです。⑦ここでは江戸時代の浮世絵師葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」との類似点を論じています。⑧はゴッホが架空の教会を描いたことに触れ⑨で仏教徒への転身願望があったのではないかとあります。この解説、よく読むと面白いです。それにしても、この絵にはゴッホの精神を病んだ暗さが出ています。

萩原健一若き日の映画「約束」

 つい最近、他界したショーケンこと荻原健一と岸恵子が共演した「約束」という映画をご存知でしょうか。何しろ1972年の作品ですから、岸恵子が40歳、荻原健一が22歳、「週刊文春」4月18日60周年記念特大号に《若き日の荻原健一、研ぎ澄まされた感性の演技!》というキャッチ・フレーズで紹介されています。

 実はこの古い映画、一度、予告編か何かで少しだけ観た覚えがあるのですが、内容はほとんど記憶に無く、「映画大辞典」を観てみたら、結構、高い点が付いていて、定価2800円でDVDが出ているようです。こういうフランス映画の香りが漂う映画、出来たら全編を観てみたいものです。

  映画評論家の春日太一さんは《荻原は演技経験をほとんど経ずに役者の世界に飛び込んだため文字通り「型破り」な、異端児といえる存在だった。時には台本に書かれた芝居やセリフを現場で己が感覚の趣くままに変えていったという……》と書いてます。恐らく、この映像は無いと思ったらあるのです。

  《物語は、冬の日本海を走る列車の車内から始まる。互いに秘密を抱えた女(岸恵子)と男(荻原健一)はそこで出合い、心を通わせ合う。それは、わずか三日間の出来事だった。斉藤耕一監督らしい詩情あふれる映像と切なげな音楽をバックに、二人の触れ合いが儚く映し出される。……》。映画「約束」、ちょっとご覧になって下さい。22歳の若いショーケンの笑顔が印象的です。

 

季節はずれに聴く「第九」

 人々を震え上がらせた冬も、四月の声をきいたら、急ぎ足でいずこかに立ち去り、満面に笑みをたたえた優しげな春が静かに訪れました。いい季節になったせいか、やたらに音楽が聴きたくなり、昨日の土曜日の深夜、NHKFMのジャズ番組「ジャズ・トゥナイト」を録音して聴いたのがチャーリー・パーカーの「ナイト・アンド・デイ」。

  そこで、今日は何かクラシックが聴きたくなって、昨年の暮の「第九」、日本フィルの小林研一郎さんがマチネーをやらない関係で聴きそこなったので、「第九」を聴こうと思い付きました。所持している12枚の「第九」の中から選んだのが、フルトヴェングラーがバイロイト祝祭管弦楽団を指揮した一枚。

  この中の音楽評論家宇野功芳氏の解説に《第二次大戦後、初めてバイロイト音楽祭が再開される初日に演奏された記念すべき実況録音であり、フルトヴェングラーを語る上に最も重要な資料といえよう。こんなに素晴らしい「第九」は他に決して例が無いし、今後もこれ以上の演奏が現れる可能性は極めて薄い。…》とあります。

  実はこのCD、今は無くなった新宿の有名なセコハン店「トガワ」で買った覚えがあり、私の愛用のプリメイインアンプ、ソニーの「TA-555ESL」でパイオニアのスピーカー「S-180A」をこれ以上ない大音量で鳴らし、季節はずれのフルヴェンの「第九」を思い切り堪能しました。たとえ録音は古くてもやっぱりフルヴェンの演奏いいです。

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