無料ブログはココログ

« 2021年5月 | トップページ | 2021年7月 »

スパイ小説を馬鹿にする本物

   かなり前に買った「スパイの世界」という本を持っています。その第一章は「スパイ小史」で、書き出しは《スパイとは、いったい如何なる者を呼ぶのか、例えばウェブスター新世界辞典によれば、スパイとは次のような者のことを言う。隠れて、相手方を見張りする人。もしくは、政府に雇われ、他政府の秘密情報を入手する者》。

 しかし、「スパイ」と言えば、ただちに想起されるのは「彼を知りて己を知れば、百戦して危うからず」という孫子の兵法が出て来ます。でも、私にとってスパイの話とくれば何と言っても第6章の「小説家たちの挑戦」でしょう。そして、中でも強烈な印象が残っているのはジョン・ル・カレの「寒い国から帰ってきたスパイ」

 ともかく、この小説は夢中になり、一気呵成に読んだ覚えがあります。その後映画化され、スジを知っていながら、映画館に飛んでいって、とても面白かった覚えがあります。何しろこの小説の舞台はベルリンの壁、もし、ドイツが東西に分かれていなかったらこの小説が生まれなかったのは間違いなし。

 ところで、プロのスパイはスパイ小説など読むはずないと思っていたらさにあらず、元CIA長官のアレン・ダレス氏は、コンラッド著「スパイ」についてこんなことを書いてるようです。《ほとんどのスパイ小説は、情報の仕事について、気晴らしになればよいうような読者のために書かれている。……架空の世界はあくまでもおもしろおかしければよいとというように作られており、実際の技術的な活動そのものとは無縁のようだ》と書き《スパイ小説を小馬鹿にする》と厳しいようです。

 

日本語を絶賛するアメリカ人

 ハーバード大学で学び、その後、日本で半世紀も過ごしたアメリカ人、ロジャー・パルバース著「驚くべき日本語」という本を紹介しましょう。何しろ、この本で、何と外国人が「日本語―驚くべき柔軟性を持った世界にもまれな言語」という章を設け、日本語を絶賛してるのですから嬉しくなって当然でしょう。

 今日はそのことをちょっと書きたくなりました。著者は《日本語は、言語学の専門用語で、「膠着性(こうちゃくせい)」をもった言語と言われ、具体的には、ある言葉の前、真ん中、後ろに新たな別の「かな」を「くっつける」ことで、、その言葉の意味を実に簡単に変えるることができて、ここに日本語の驚くべき柔軟性の本質がある》というのです。

 たとえば、ある「かな」を前に加えてできる言葉の例は、「真っ先」や「くっつく」、「かな」を単語の真ん中に入れる例は、「見る」や「とめる、とまる」に加えてできる「見れる」「とめられる」、そして後ろに加える例は、「起こる」にくっつけて「起こりうる」、「白い」が「白っぽい」になるのです。

 また、「おる(いる)」という言葉(動詞)があり、丁寧な表現としては「おります」を使います。これは、「降ります」という別の意味にもとれて満員電車に乗っていて、目的の駅で降りる時、前に立ってる人に「すみません。おります」と声をかけます。それをだれも「私はここに存在します」という意味にとる人はいません。つまり、日本語は状況によって、相手がちゃんと意味を解釈してくれるのです。日本語は曖昧に見えて明確である世界で類がない凄い言語と外国人が言ってますので、日本人はもっと日本語に敬意を表さなければいけません。何しろ、アメリカの人がよその国の日本語を絶賛しているのですから。ところで、つい最近、集英社は文庫本を出版したようで買いやすくなりました。一読して日本語の凄さを再認識して下さい。

超役に立つ「万有引力の法則」

   小谷太郎著「身のまわりの科学の法則」という本から、日常、これほど役に立つ法則はないと言われる「万有引力の法則」のことを詳しく書きましょう、1687年、ニュートンは歴史に残る「プリンキピア」を出版し、運動の三法則と万有引力、つまり重力の法則について発表しました。 このラテン語で書かれた膨大な著作には、運動の法則の詳細な証明が延々と連ねられていて、難解な議論に最後までついてこられた人のみが理解できる仕組みです。

 ともかく、この本を解説なしで読み通すことは相当困難で、ニュートンの名前で購入した方は、途中で挫折した方が沢山いたそうです。そこで、「万有引力の法則」を誰でもが理解できるように書き直したのが小谷太郎氏で、ちょっとその一部を原文で紹介しましょう。「世の中には地球、月、リンゴ、私たちの身体など、多くの質量が存在します。そして、それらの無数の質量の間には引力が働いていて例外はありません。

 そして、その引力は、両方の質量を掛け合わせたものに比例します。ただし、その引力は二つの距離に反比例するので、距離が離れると小さくなるのです。 これは、私が考えた例えですが、ここに机があり、その上に本が一冊置いてあるとします。当然、地球は物凄いスピードで動いているのにこの本はびくともしないで机の上に乗っています。

 それにしても、難解な理論でも「引力は質量(重さ)の大きさに比例し、距離の長さに反比例する」の短いセンテンスでことは足りるのです。ともかく、リンゴも地球も月もなにもかもすべて同じ原理であることをニュートンは見抜いていたのですから驚くべき洞察力と言っていいでしょう.,「万有引力の法則」、少しお解りになったでしょうか。

 

映画好きの宝物「映画大辞典」

 ネットに映画好きにはとても価値がある「映画大辞典」というサイトがあるのをご存じでしょうか。結構、有名なので、ご覧になった方はいっぱいおられるかも知れませんが、ご存じ無い方もおられるので、無駄な説明になるかもしれませんが、ちょっと紹介しましょう。何しろ、今日現在、登録されている映画は、外国映画も日本映画もまったく区別がなくて何と26675本。

 恐らく、国内で上映された映画、上映中の映画のすべてが登録されてると言っても過言では無いでしょう。何しろ、世界で初めて音が入った1930年制作の「モロッコ」が登録されているのですから推して知るべしです。それにこの辞典の凄いのは監督、脚本家は勿論のこと、出演している俳優がすべてリンクされているのですから恐れ入ります。

   従って、その映画の監督や脚本家がほかにどんな作品に関係してるかも、また出演している俳優がほかの映画の出演している作品がたちどころに解ります。そして、その映画を観た方のレビューと10点満点の得点が出ています。更にその映画の点数の集計があるので、平均点とその映画を観た方の感想と0点~10点の得点が解るので、これからその映画を観ようとしている方の参考になります。

   また、レビューを読んで、アラスジを知りたくない人のために「ネタバレ注意」を選択すると配慮してくれているのも嬉しいシステムと言っていいでしょう。これぞ類を見ない本格的な映画のデータベース。使い方として観た映画のレビューを読んで人と比べて見るのもいいかも知れません。映画好きには貴重な「映画大辞典」を紹介しましたので、是非、ご活用下さい。それにしても、この投稿者のレベル結構高いです。また同じ映画に0点と10点の方がいるのには驚きます。

演技力で人を泣かす高峰秀子

 女優高峰秀子、夫の脚本家松山善三、養女の斎藤明美の三人が名を連ねている「高峰秀子暮らしの流儀」という小冊子を持っています。そして、時々眼を通します。女優の高峰秀子と言えば、どうしても頭から切り離せない映画があって、まず真っ先に書かねばならないのが成瀬己喜男監督の名作「浮雲」。

   あのラストシーン、どしゃ降りの雨の屋久島で、担架に載せられて運ばれる高峰秀子の姿が脳裏から消えません。何しろ「終」が出た後、涙で人に見せられない顔を隠すため、いつまでも映画館の椅子に座っていたことを今も鮮明に覚えています。後にも先にもこんなに泣いた映画はほかには無いでしょう。悲しくて悲しくて涙か止まらないのです。

   実はこの小冊子を買った理由は、高峰秀子が現実に体験したことではなくて、演技によって人を泣かせることを実感したいが為に買ったと言ってもいいかも知れません。高峰秀子が筆が立つことは前からよく知っていて、この本の中にも、「高峰秀子 幻のエッセイ」というコーナーがあり、幾つかの随筆が掲載されています。

 そして、養女になった斎藤明美さんが「亡き母・高峰秀子に捧げる」と題した一文を読んだら、もしかすると「浮雲」のイメージを消せるかもしれないと思ったのです。しかし、その試みはものの見事に裏裏切られ、この実像があるからこそ、あの演技が出来たと確信せざるを得なくなりました。「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」。でもこの映画「浮雲いいです。そして、巨匠小津安二郎監督に「この映画は私には出来ない」と言わしめたとかなのです。

 

電話のコードがねじれる理由

 電話のコードがいつの間にかひどくねじれ、気になって、地球の引力を利用して直した経験をお持ちになる方はいっぱいおられるでしょう。アメリカのコラムニストのジョエル・アカンパークが書いた「ねむれないほどおもしろい雑学の本」によると、これは人間自身の仕業だというのです。

   そもそも、筆者も「あのカールしたような電話のコードの中には、ある種の分子構造的なねじれが最初から記憶されていて、工場から出荷され、二週間ほど経つと自然に表に出てくると思っていたそうです(ジヨークに決っています)。つまり、電話器の製造会社がそうなるように作っている」のだと信じていたそうです。(冗談!冗談!)

   そこで、この現象を解明しようと最高の専門家を訪ねたのです。そのジョージ・ワイカーは、インディアナポリスにあるベル研の消費者製品部門の担当者で電話コードに関しては第一級の専門家です。最初に彼は「どんなふうにコードがねねじれるかずっと関心を持ってました」と言うではないですか。

 そして、彼は更にこう言ったのです。「犯人は人間です。人間がコードをねじっているるんです。意識してないけど私たちは受話器を扱う時に、ある一定のパターンを持っているのです。まず受話器を持ち上げて、時計回りに90度回転させて左耳にあてます(右利きの人)。左耳が痛くなると、時計回りに180度回転を与えながら受話器を右耳に写します。そして、通話が済むと受話器を更に時計回りに90度回転させながら受話器を置くのです。これでちょうど360度、つまり、我々は何のことを無く、無意識に受話器を一回転させていたのです。いやはや。

世界最小の国「バチカン市国」

 吉田一郎著「国マニア」(筑摩書房)という本から、世界最小の国家「バチカン市国」を紹介しましょう。何しろ、マニア向けの本ですから一味違う気がします。好奇心旺盛な人間はこんな本を買ってしまいます。著者の吉田さんは法政大学の社会学部の卒業です。まず面積は0.444キロで、日本の皇居の三分の一です。

   そして、この国の元首はローマ法王で、バチカン宮殿で暮らしています。それで、特筆すべきは、バチカン市国の所有するサン・ピエトロ大聖堂、バチカン美術館、教会などすべてイヤリヤの領土内にあり、イタリア政府から治外法権を認められています。これぞ不思議なシステムと言っていいでしょう。

   いずれにしても、バチカン市国は世界ⅰ78ヶ国と外交関係を結び、主権国家として承認されていますが、バチカンが派遣している代表は、国家の代表ななのか宗教組織の代表なのかは極めて曖昧で、東京にある大使館は「バチカン市国大使館」ではなく「在日ローマ法王庁大使館」と呼んでいます。

   ところで、この国へ、観光旅行するにはどうしたらいいか主要観光地の写真入り案内が幾つかネットにありますのでリンクしておきます。AサイトBサイトCサイト。家内も私ももう少し若かったら、友人や知人に「バチカンに行ってきたけど、やっぱり、百聞は一見にしかずだねえ」と自慢したのに残念です。小さな国でもちゃんと国歌はありますからお聴きになって下さい。

35年も前の昔のビックトーク

 本箱で1986年に文藝春秋社より発刊された文庫本「ビックトーク」を見つけ、中に他界された推理作家の山村美砂さんと、現役で活躍されている西村京太郎さんのトークを発見し、貴重なので紹介したくなりました。何しろお二人にはこんなことがあって何かで読んで覚えています。

 確か山村美砂さんが小説執筆の半ばでお亡くなり、親交があった西村京太郎さんが山村さんの小説を完結されたのです。お二人が同じ推理作家だったので出来たことで、私はこのことを知って感動したことを覚えています。その小説の題名は「龍野武者行列殺人事件」で紹介はネットにあります。

   さて肝心なトーク、すべては無理ですが、本をそのまま書きましょう。西村「あれは七月二十五日でしたっけ。あの日はプールへ行ったとかいうことでしたね?」山村「ええ、三時半ごろから子供とホテルのプールへ行って、そのあと、久しぶりに食事をして八時頃家に帰って来たんです。……」西村「山村さんはマンションの一階と六階に部屋があるでしよう」

 山村「子供は一階の部屋へ入って、私は六階に行ったんです。子供の話だと別れて十分ほどして一階のドアのところでドタッと音がしてあけてみると私がたおれてたって。」西村「じゃ、六階の部屋で殴られてから一階まで自力で戻ってきたわけ?山村「そういう事なんですね。だけど自分ではよく覚えてないんです。一階までどうやって降りたか」。どうやら。山村さんが自宅マンションで誰かに襲われた話のようですが、大事にならずよかったです。二人のトークはまだ延々とつづきますが、残念ながら終わります。

 

« 2021年5月 | トップページ | 2021年7月 »