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秋に二つのヴェルレーヌの詩

   さしもの猛暑もいつしか別れの言葉も無く、急ぎ足でいずこにかに立ち去り、ヴェルレーヌの詩を口ずさみたくなる季節が訪れました。ヴェルレーヌの詩とくれば、やっぱり、堀口大学の訳でなければなりません。ほかの人の訳では私は駄目なのです。そこで取り出したのが、新潮社の堀口大学訳「ヴェルレーヌ詩集」

   さて、最初にどうしても取り上げたいのが「わびしい対話」。《うら枯れて 人気なき 廃園のうち かげ二つ現れて また消え去りぬ かげの人 まなこ死に 唇ゆがみ ささやくも とぎれとぎれや うら枯れて 人気なき 廃園のうち 妖(まが)つ影 ふたりして 昔をしのぶ………》。

   そうです。ジュリアン・デュヴィヴィエの映画「舞踏会の手帖」の中で、ルイ・ジューヴェとマリー・ベルが楽しかった若き日を脳裏に描き、二人口を合わせてとなえていた詩です。訳は字幕作者で堀口大学ではありませんが、何度繰り返しこのシーンを観たか解りません。で、もう一つ書き出したいのはこよなく美しい「秋の歌」。

   《秋風の ヴィオロンの 節ながき 啜り泣き もの憂き かなしみに わがこころ 傷つくる 時の鐘 鳴りも出づれば せつなくも 胸せまり 思いぞ 出づる 来し方に 涙は湧く 落葉ならぬ 身をばやる われも かなたこなた 吹きまくれ 逆(さか)風よ》。何か物憂い初秋のひと時、ヴェルレーヌの詩を二つ紹介しました。

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