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完全では無い「毒味」の効果

   日本映画のファンなら、江戸時代、「毒味」役の武士を演じ、貝の毒にあたって失明した木村拓哉の映画をご覧になった方はいっぱいおられるでしょう。原作は藤沢周平で、題名は「武士の一分」、木村拓哉が素晴らしい演技を見せ、あまり日本映画を観ない私が感心した覚えがあります。

   確かに江戸時代には「毒味」役の武士は本当にいたようで、歴史学者の磯田道史氏が書いた「日本史の内幕」という本に《毒味をさせた「毒味役」》という一文があります。それによると、将軍夫人の食事は毒殺を避けるため、同じ料理を10人前も調理させていたのだそうです。

   要するに、10人前の料理を用意すれば、毒殺者は10人前全部に毒を盛らなければならずに、それだけ毒殺が難しくなります。何しろ、料理の担当者は10膳のうち2膳が「毒味」に回され、残った8膳のうち、将軍夫人の前に出されたのは3膳、夫人はその3膳のうちランダムに2膳に箸をつけたのです。

   そして、残ったお料理はお付きの当番の者が食べていたということですが、将軍夫人が食べる美味しい料理を食べられるのと引き換えに、運悪く命を落とすことだってあり得るのです。つまり、「毒味」というシステムは、いくら手間を掛けても完全無欠なものではないことがお解りになったことでしょう。いやはや。

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